Core i7 8700K 殻割り報告(2)~殻割り実践編

さて、前回は殻割りの準備として専用ツール ROCKIT 88 を準備したところで終わりました。

上ブロック、下ブロックで CPU を挟み込み、付属の手回しネジを締め切って固定します。固定が甘いと CPU がぐらぐらして危険なので(基板が曲がって壊れる可能性がある)、しっかりネジをしめましょう。その後、側面から飛び出てる六角ネジをレンチで締め上げます。

この時、下図のようにヒートスプレッダを横から押す金属ブロックが基板の上にのっかっている感じにします。(六角ネジにちょっと遊びがあるので、製品の個体差によっては基板の端からブロックが落っこちてしまう可能性があります。)

一気に締め上げていくと基板に負担がかかりやすいので、ゆっくりゆっくりネジを回していきます。結構な力がいります。非力な女性の方には向かないかもしれません。がんばって回していくと、ある時点でぱきっというかバキっという音がして、急に力がいらなくなります。そうしたら、封印剤がねじ切れた証。殻割り完了です、ひとまずお疲れ様でした。

CPU を壊してしまうかもしれない瞬間は、もう過ぎ去りました。胸をなでおろしながら、TIM の掃除でもしましょう。無水エタノールを綿棒に染み込ませて、CPUコアとヒートスプレッダに付着したTIM(灰色のカサカサしたもの)を拭いとります。指で触った脂分なども、液体金属グリスを弾くので邪魔者です。きれいに拭きとりましょう。基板とヒートスプレッダの輪郭にそって黒いゴム状の物質がはりついています。これが封印剤(シーラー)です。爪でカリカリこそぎ落とせます。こちらはそれほど熱心に落とさなくていいでしょう。むしろ封印剤のあとが少し残っていたほうが、あとでシーラーを塗り直す場所がわかって好ましいくらいです。

さて、掃除がすんだら次に 端子の養生をします。下図の赤丸で囲んだ部分はショートするとまずいので、放熱用接着剤を用いて絶縁します。私は COM-G52 というのを使いました。
施工前

施工後

COM-G52 の完全硬化時間は24時間ですが、いらちな私はそんなに待ちきれません。タックフリータイム(指で触っても表面が剥がれなくなる時間)は2時間ほどとのことなので、こちらを採用します(^-^;)

報告(3)に続く…。

「Core i7 8700K 殻割り報告(2)~殻割り実践編」への2件のフィードバック

  1. 僕も同じマザー、CPUで殻割りの予定なんですが、端子の絶縁もブラックシーラーで問題ないのでは?わざわざ微量しか使わない値段の高い特殊接着剤まで買う気しないので。ブラックシーラーは塗りにくいってことがありますが、マスキングした状態で塗れば大丈夫だと思います。カプトンテープなら手持ちがありますが、粘着剤は劣化する可能性があるので怖いですね。

    1. 明確な基準はないんですが、ブラックシーラーを流用するより放熱性のある接着剤のほうが安心かなと思いまして。COM-G52はスペックシートに4.22W/m・Kと明記されてるので。

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